BusTomo CD発売記念ライヴ

callithump2006-06-29

今日は西麻布 SuperDeluxe で BusRatch + 大友良英のCD『Time Magic City』の発売記念ライヴ。キャプテン秋山と2人でずっと継続してきた『Deluxe Concert Series』の企画担当をこの春に降板して以来だから(最後になった企画は昨年12月)、スーデラで企画をやるのも久しぶり。開場時からコンスタントに人が集まってまずまずの集客。「わ〜、キャロサンプの企画じゃないみたい」と、他人に言われる前にとりあえず自分でツッコんでおく。

一番手は、おそらくライヴやること自体が数年ぶりになるであろうイノヤマランド。企画した自分自身でもイノヤマのライヴを聴くのは十数年ぶり。ゲストにシンセサイザー・ギターの関口孝さんを迎えたトリオ編成で、基本は83年発表のファースト・アルバムで聴かれるようなミニマルなシークェンスをベースにした演奏だが、以前に比べオープンなパートが占める割合が非常に高くなったように見うけられる。たゆたうように静かなインタープレイの交歓に数分おきにシークェンスのチェンジを切り込ませ、音背景の根本的な刷新を図りながら進行する45分の半即興組曲。「環境音楽」という言葉ではとても括りきれないが、聴者との関係において正にそれを体現しているとも言えるインタラクティヴな音楽の美しい時間。

続いての cosmos はいつにも増してエクストリームな姿勢を透徹させた演奏。ほとんど暗闇に近いほのかな照明の中に浮かぶ Sachiko M吉田アミの2人が間歇的に発する音は会場に響く空調の音より明らかに小さいが、それ故、発せられる度に聴く者の意識を強烈に引っ張る。デュオ演奏でありながら、もうアンサンブルであることすら止めようとしているかのような居ずまい(2人が同じ時間を共有していないような在り方)。果たしてこの2人はどこに行こうとしているのか?

トリはもちろん、BusTomo。3人ともにターンテーブルを直接アンプに突っ込んで鳴らし、プリペアド・カートリッジ、プリペアド・レコード、フィードバックなどを駆使した轟音の演奏。折角のCD発売記念ライヴの主役なので、通常の BusRatch の倍以上の長い演奏時間を設定してみたが、終始淀みのない強力な演奏になったと思う。

終了後はいつもの如く、近所の24時間開いてる北京ダックの店で打ち上げ。前半は主に若くて前のめり過ぎるタカヒロ君をいちびって、後半は昔話好きのイノヤマの山下さんと昔話に花を咲かせて盛り上がる。