『東西対抗クレズマー合戦!!』で考える

callithump2007-02-22

今日のイヴェントのタイトル、実を言うと、実現させる機会を逸したまま10年以上も眠らせていた案。ベツニ・ナンモ・クレズマー結成当初に比べるとここ数年は、個人的にはクレズマー音楽に対する興味が大幅に薄れてしまっているのが正直なところ。もう使うことはないだろうと自分の中に仕舞い込んでいたアイディアだけど、今回たまたま2つのバンドのスケジュールが合い、埃を被っていた未使用のタイトルを引っ張り出すことになった次第。

さて本番。先ずは西軍、フレイレフ・ジャンボリーの先攻。昨年の10月以来だから、約4カ月ぶりの東京での演奏。前回にも増して充実の演奏に、手の込んだおバカな新曲(?!)もありで、こってりといい感じの脂の乗り具合で好演。本当に聴く度によくなってる。

続いては後攻、ベツニ・ナンモ・クレズマー。今年で結成15周年を迎える、おそらく日本で最初のクレズマー・バンドだが、メンバーみんなが個別に忙しくなってしまって、ここ数年は年に1回でもライヴがあればいい方、ここ数年は新曲もなく、既存のレパートリーの演奏にとどまっている。しかし、本番の演奏には鬼気迫る瞬間が何度もあって、インターバルはあっても継続してやっていることにはそれ相応の意味と成果があるとは思える。

話が少しそれるけど、コンサートを企画するにあたっては常に、前進的であること、オンゴーイングなプロジェクトであることを心がけているつもりだ。新しい古いにかかわらず今現在それをやることの意味を(必ずしもはっきりとした言葉にはできないにしても)自分の中で確信できることが重要だし、そうすることで初めて胸を張って制作・宣伝も進められる。そういった観点から見れば、前述した近年のベツニ・ナンモ・クレズマーの活動内容が自分が掲げるそういった基準に当て嵌まっているかどうかには正直疑問がある。そんな煮え切らない疑問を抱えながら、今もこのグループの制作やマネージメントを続けているのは何故なのか? ずっと考えちゃいるけど、結論はまだ出ない。

最後は2バンド合体、総勢23人で「ALLE BRIDER」と「DER SHTILER BULGAR」の2曲を演奏。客席を練り歩くミュージシャンを手拍子しながら目で追いかけるお客さんの笑顔。終演後に「楽しかった〜!」と言っているメンバーの満足そうな笑顔。そんな光景を見ていて、自分の中のクレズマーへの興味が風化しかかっていながらも、たまにはこんなお祭り騒ぎも悪くないかな...と思えることも、そういった持続の源ではあるけれど.....。

にぎやかな演奏と客席の盛り上がりの陰で、オーガナイザーとしての自分のあり方をあらためて考えてしまった。