ドラびでお@釧路芸術館

callithump2006-05-14

釧路は今日も朝から雨。最高気温は8度。

今日は、釧路芸術館でドラびでお北海道ツアーの本番初日。日曜昼の公共施設での無料の公演ということで、子ども連れや高齢のお客さんが目立つ。案の定、1曲目が終わると子連れのお客さんが一斉に帰り始める(客入れ中に子どもが「ドラえもん〜」と言っているのを何度か耳にしたので心配していたのだが、悪い予感が見事に的中)。一楽さんの演奏は素晴らしく、今まで観たドラびでお公演の中でも出色の出来だったが、観客の反応は見事に賛否両論に分かれる。

悪評には「これは映像によるテロだ。税金でこんな公演をやるなんてふざけてる」というものと、画面の明滅をフィーチャーした曲について「子どもがてんかんを起こしたらどうするつもりだ」というものがあったそうだが、どちらもまったく的外れだと思う。前者の言い分に倣っていると美術館は過去のすでに一般に認知されたオールド・スタイルの作品を並べるだけのハコにならざるを得ず、新しいコンセプチュアルなアートやポリティカルなメッセージを含んだ作品を紹介することなどできなくなってしまうし、後者は生半可な知識による浅薄な中傷以外のなにものでもないだろう(実際にテレビのアニメなどで使用されているフリッカー・エフェクトに比べ、手動によるドラびでおの画面明滅は何百倍も遅く、数年前に問題になった『ポケモン』のてんかん騒ぎのような効果は起こせない。せいぜい目がちかちかしたり、少し気分が悪くなる程度だ)。

NHK釧路と北海道新聞釧路支局が取材に来ていたが、NHKは今夜のニュースで予定していた放送を見合わせたし、こうなると道新も果たしてどのように掲載されるのか疑問が残る。しかし、NHKの担当者は何をもってこの公演を取材に来ることにしたのだろう? 取材クルーの無神経な態度も気になったし。

作品の質やアーティストの責に帰さない部分で、それが貶められたような結果に陥ったのが最も不本意な部分である。ドラびでお自体は本当にいい演奏を披露してくれたのだし。

しかし、好意的な評も多くあったし、百人以上のお客さんに最後まで帰らずに観ていただけ、盛大な拍手をいただいたことは本当にありがたかった。惜しむらくは、取捨選択を自分たちの意志でできない子どもたちへの事前のケアが足らなかったこと。この反省を明後日のやはり公共の施設で行われる小樽公演に生かしたいと思う。