テントに行く

一昨日、昨日とほとんど寝て過ごしたおかげで、風邪はどうにか治った模様。なので、ばらちづこさんから誘われていた独火星のテント公演を観に行くことにする。まだ10月初旬とはいえ夜のテント公演は冷えるし、おまけに今日が楽日。体調回復がどうにか間に合ってよかった。

テント公演のアングラ芝居を観るのはものすごく久しぶり。最後に観たのは風の旅団の八幡山での公演『ウル・ファウスト』だと思うので、15年ぶりくらいか? 『1の知らせ』の録音を終えたばかりのコンポステラの3人がボロボロの衣装を着て生演奏をしていたのと、普段はうるさいくらいの大声の役者の科白が聞こえなくなるほど劇中に登場する本物の子豚の悲鳴がけたたましくかったのが印象に残っている。そういえば、『1の知らせ』のジャケットに写っているカボチャ、地下鉄の神田駅に展示してあったものをもらってきたのだが、撮影終了後にその子豚たちの餌になったのを思い出した。あの子豚たちはその後どうなったのだろう? 聞いたような気がするが思い出せない。

いやしかし、その旅団の元メンバーも数人いるとはいえ、テントの雰囲気といい、芝居の手法といい、この変わらなさはすごいかも。伏線に伏線を重ねたような筋書きも、独特のレトリックも、大音声の科白回しも懐かしいあの頃のままだ。レールを使った引き舞台の上に回転舞台が載った凝った大道具を駆使して、大団円はやはり火を焚いて、何が何だかこちらが筋書きをよく把握できないうちにスペクタクルはおもむろに幕を閉じる。しかし把握できないとは言っても、ポリティカルなテーマや実際に起こった事件とのリンクは理解できるので、言わんとすることがおぼろげながらも伝わってこないわけではないけれど。そして、そういった体制へのカウンターとしての在り方もまた当時そのままに感じられる。上演時間は約2時間。それだけが以前に比べるとかなり短くなっていたように思う。

終演後、出演していたWAKAMEちゃんと久しぶりに話す。役者をやっているのは知っていたけれど、実際に観たのは今日が初めてだった。他にも桜井大造さん、水畑勲さん、根岸さん、藤島かずみちゃん等々、元・風の旅団の懐かしい顔ぶれに本当に久々にお目にかかる。

個人的には、リューセイオー龍くんの好演が印象的だった。おつかれさまでした。