食いっぱぐれてタンゴ

今日からK社でK誌の校正。先月ヘルプで入った現場だが、今月からレギュラーで入って欲しいとの要請があり、これで月刊誌のレギュラーが2本になった。両方で都合3週間くらいは拘束されることになるけど、さて、キャロサンプの仕事はいつやるんだ?

初日はすんなり午後7時で終了。今夜の鬼怒無月のタンゴ・バンド「Salle Gaveau」CD発売記念ライヴに招待されていたので、今日も今日とて昼メシを食い損ねていたのだけれど、とりあえず何も食わずに一目散に吉祥寺へ。しかし、食いっぱぐれることが多いな、最近。

今ではしぼんだモンチッチのようになってしまってそんな面影は微塵もないが、女学生時代は学校帰りにカフェーに寄り道してズージャを聴きながらブラックコーヒーをすすっているような、昭和ひと桁生まれにしてはちょいと不良だったオレの母親がタンゴも好きだったおかげで、子どもの頃から家では時々タンゴのレコードがかかっていて、オレはそれを聴いて育ったことになる(朝の7時から「ラ・クンパルシータ」がかかってたんだよ、木造平屋建ての家の畳の部屋にさ!)。おそらくそんなわけで、今でもタンゴを聴くとオレの身体の中のデゥエンデが呼び醒まされるようで、ちょいと血が騒ぐのだ。「寄らば斬るぞ」と言わんばかりのハイテンションの演奏(小さな子どもがいたら泣き出していただろう)とピアソラ的でありながらもより複雑怪奇で面妖な楽曲の数々を聴いていると、背中にゾクッとする感覚が走り、血液が逆流でもしたかのような興奮にとらわれる。しかし、情けないことに今日は途中で燃料切れ。あまりの空腹にオレのデゥエンデも不完全燃焼のまま鳴りを潜めてしまった。演奏は素晴らしかったけれど、血糖値が下がりすぎて集中力が散漫になっちまって.....トホホ。

終演後、今日のライヴの物販担当の沢登と2人で吉祥寺駅前の台湾料理屋で遅い夕食。昨日から断酒再開したはずなのに、ついうっかり生ビールを飲んでしまったよ。