田舎暮らし
かねてより膵臓癌で入院中だった父が、春分の日の夜に息をひきとった。享年78歳。今際のきわは母と2人でみとった。
いくつかの打ち合わせのために1日だけ東京に戻り、母と付き添いを交代するために病院に戻ると、数分前に看護師さんから、「危ない状態なのでなるべく傍にいてあげて下さい」と言われたとのこと。いつもは乗り継ぎの悪い電車が今日に限ってやけに乗り継ぎがスムーズだと思ったら、どうやら悪い予兆だったようだ。オレが病院に着いて約2時間半、父は静かにゆっくりと帰らぬ人となった。
故人の遺志に従い、通夜は親族と近所の方々のみで、葬儀はほぼ家族だけで密葬とした。派手なことが嫌いな人だったので、本当に地味に、今時珍しい自宅での葬儀とした。
(上述の通り、故人の遺志により密葬とさせていただいいたため、どこからか聞きつけてご連絡いただいた自分の仕事関係の方々や友人・知人からの弔問、供花や弔電などは、失礼ながらすべて謝絶させていただきました。お気持ちだけ頂戴したく思います。どうか悪しからずご了解下さい。)
ひとり暮らしになってしまった母のケアのため、葬儀後は主に実家で暮らしている。ほとんど何もない田畑の真ん中で、三度々々の食事の支度をし、母とともに食する日々。しかし、こんなに仕事をしなかったのは何年ぶりだろうか?
そんな田舎に軸足を置いた生活もそろそろ終わり、明日からはまた現場が再開、ライヴの本番も近い。東京中心の生活に戻らなければ。