北海道中膝栗毛 #1

多忙に任せてまた2週間以上も日記の更新を怠ってしまった。特にここ3日間くらいはほとんど寝る間もないくらいの忙しさで、とても日記なんて書いてる時間はなし。

昨夜も徹夜して単行本の託校を1本仕上げ、朝帰りで帰宅。今日から『第12回かがり火コンサート』のために北海道入りなので、その旅支度をしつつ、1週間くらい前から缶詰めエサを食べ始めた仔猫たちのためにエサを買い出して与え、洗濯をし、参院選期日前投票に行き、その合間にライヴのチラシのラフをチェックし、託校の納品に行ったついでに打ち合わせをすませ、すべて片付いたのが飛行機の出発時刻の1時間半前 in 新宿! 大急ぎで羽田空港に向かうと、幸い搭乗便の出発が遅れていてどうにか間に合った。ふぅ。

3泊4日で家を空ける間、育ち盛りの仔猫らのことがちょっと気がかりだけど、母猫にしっかり面倒を見るように言い聞かせておく。そこらに糞尿をたれるのだけはやめてくれよ。

千歳空港到着後の午後4時過ぎ、ようやく今日最初の食事。空港のラーメン屋で生ビールと塩ラーメン。予想通りだが、あんまり美味くない。その後、札幌駅でNMAの沼山さんと落ち合い、夜は沼山さんに連れられてピアニストの向井山朋子の演奏会『夏の旅 〜シューベルトとまちの音〜』を聴きに行く。会場は「ANODE」日本初演や、昨年のドラびでおや東京ナミイBANDの公演でも訪れた琴似パトス。長方形の部屋の真ん中にグランドピアノが置かれ、譜面台の横にはラップトップのコンピューターが1台、四方の壁に沿って客席の椅子が並べられ、部屋の四隅にスピーカーが設置されている。パンフの文章によれば、「誰もが聴いたことのあるシューベルト即興曲に、そこに住む人たちが集めた街の音のサンプルを織り込んでいく」とのことだったが、演奏の途中でスピーカーから流れる「環境音」は音質が悪く、音量もうるさいくらいに大きくて(時折、ピアノ演奏を掻き消すほど)、とても鬱陶しかった。街の雑踏の中にピアノを置いたようなサウンドスケイプを具現したかったのか、はたまた別の意図があったのかは不明だが、客席やスピーカーの配置からサウンド・オペレーションに至るまで、サウンド面への配慮を大きく欠いた、がさつなまでの「演奏」は聴いていて非常に疲れるものだった。そんなわけでセカンド・セットのアーティスト・トークにはあまり興味が湧かず、休憩時間中にとっとと退散する。

その後、街中に繰り出し、沼山夫人スミエさん、寶示戸亮二夫妻と落ち合って、5人でジンギスカン屋で夕食。今回はいつも行くすすき野の「だるま本店」ではなく、いかにも今っぽいダイニング風の店「ひげのうし」へ。肩ロース、ランプ肉、カルビなどにきのこ類を焼き、〆のご飯とスープにデザートのヨーグルトアイスクリームまで、しっかり堪能。久しぶりの人々との四方山話の楽しさも相俟って、すこぶるおいしゅうございました。