9月の日記 ー ダイジェスト版

callithump2007-10-01

またしても1カ月も空けてしまった。ぼやぼやしている間に10月になってしまったよ。いや、別にぼやぼやしていたわけではないし、ぼやぼやしている暇などなかったのだが.....。

以下、この1カ月の間の出来事を記憶を頼りにかいつまんで書いてみることにする。

9月4日(火) 実に久しぶりに舞台監督のオファーがあり、杉並公会堂の大ホールに会場下見に行く。新装オープンして1年近く、区民なのに、隣駅が最寄り駅なのに、初めて行ったよ。クラシックのコンサート・ホールでプロセニアム式でも使用可能なホールでの仕事は初めてかも。要領を得ないことが多くて、打ち合わせに思ったより時間がかかってしまい疲れる。

9月5日(水) 今日は松本パンチ里美のブックレット用の写真撮影の日だが、T誌の初校作業初日で立ち会えず。まぁ、事前の打ち合わせには出席して、「ヒゲをつけろ」とか意見(?)は言っておいたので大丈夫だろう。深夜まで校正作業。

9月7日(金) 前日もこの日も朝から深夜まで、T誌の校正作業。この日は遂に終電に間に合わず、秋葉原の仕事場で寝る。

9月8日(土) 朝から杉並公会堂に赴き、(消防法に基づく)「禁止行為の解除申請」の書類の手続き。どうにか無事に申請書に判をもらい、あとは週明けに消防署に提出に行くのみ。午後は山積した雑務を片づけ、夕方からはモントリオール在住の映像作家、ピエール・エベールのひとり息子エティエンヌ君が来日中で会いたいと言うので、新宿で待ち合わせ。お父さんから新宿の韓国料理屋に連れて行ってもらった話を聞いたらしく、そこに行きたいとのことで二丁目へ。豚のアキレス腱や銀ダラの煮物、オイキムチビビン麺を食してご満悦。その後、花園神社や歌舞伎町、ゴールデン街など、新宿ディープ・サイドを案内するも、何故だかどこも週末にもかかわらずこの夜に限ってやけに人手が少なくて静か、こちらの企図がうまくエティエンヌには伝わらなかったようで残念。でも、ケベックのナイス・ガイ、笑顔で帰って行きました。ボンヌニュイ!

9月9日(日) 昨日やり残した雑務の整理の合間に、四谷のギャラリー Roonee に上野龍氏の写真展「うずらぎぬ」を覗きに行く。写真も写真家も相変わらずのんびりした雰囲気で、最終日の閉廊間際に駆け込んだにもかかわらず、こちらもちょいとのほほ〜んとした気分を味あわせていただく。

9月10日(月) 朝イチで荻窪消防署へ行き、先週末に判をもらった申請書を提出に行く。〆切ギリギリだったが、どうにかすんなり受理されひと安心。先週末、久しぶりにE誌のS編集長から校正のオファーがあったので、どうにかスケジュールをやりくりして、この日と次の日の2日間で片づけるべく算段&調整。応援の校正者を何人か頼んでいるので、午後からその人たち用の作業ガイダンス作り。ゲラが到着した夕方から、途中少し仮眠して翌朝まで校正作業。進行状況あまりはかばかしくなく、ややピンチか?

9月11日(火) 昼前まで昨日の作業の続きをやり、午後は一度抜け出して吉祥寺へ。舞台監督のオファーをいただいた今週末の杉並公会堂でのイヴェント、『縄文祭り』に出演するキリロラさんのリハーサルに立ち会う。リハ後、秋葉原に戻り再び校正作業。オレの留守中、作業はますますはかばかしくなかったようで、さらにピンチ。皆の作業を検証しつつ、昨日の作業ガイダンス作りの時間と手間は何だったんだろうと、ちょっとだけ気分が落ち込む。結局また徹夜。

9月12日(水) 作業の終了したE誌のゲラを朝イチでバイク便に預け、その足でT誌の校正現場へ。今日から校了だ。例によって深夜まで作業。

9月13日(木) この日も朝からT誌の校了。しかし、今日は関西から上京中のフレイレフ・ジャンボリーのライヴ本番と重なってしまったため、進行の段取りをつけて午後3時で上がり、その足で吉祥寺MANDA-LA2へ。今回は翌日の松本里美『Bronze & Willow』のレコーディングの為に上京してもらったが、ライヴもやりたいとのことで1本ブッキング。しかし、お客さんの入りは甚だ地味でお店にもバンドにも申し訳なかったと反省。

9月14日(金) 午前中だけT誌の校正現場に顔を出し、進行状況を確認、作業指示を出して早退、門仲天井ホールへ向かう。『Bronze & Willow』のレコーディング、with フレイレフ・ジャンボリー。近藤ダイちゃんと助っ人キヨピーが先に会場入りして機材搬入とセッティングをやってくれていたので、オレは到着後先ず、向かいの赤札堂へ総勢12人分の弁当を買いに行く。東京と大阪間で先月から楽譜とリハ音源のやりとりを繰り返してアンサンブルを練ってきた2曲。フレイレフもバンドとして脂がのりまくってるし、パンチもそれに煽られてエラい元気のいいテイクが録れましたよ(写真)。録音終了後、フレイレフのメンバーは車で帰途へ。レンタル機材を返却した後、ダイちゃん、1人だけ都合で東京居残りになったヴァイオリニストの山口涼子嬢と3人で阿佐ヶ谷の韓国料理屋で乾杯&遅い夕食。チヂミやらチャプチェやらヤンニョンサンギョプサルやら。

9月15日(土) 杉並公会堂で『縄文祭り』本番。朝8時会場入りで、昼12時開演という超ハードなスケジュールなれど、スタッフ各位の協力のもと、迅速に、大過なく進行。ありがたや。講演をされた中沢新一氏とは二十数年ぶりにお会いした。その昔一度、中野富士見町のplan Bで行われたシンポジウムに氏が出席したときに打ち上げで夕食をごいっしょしただけなので、もちろんあちらは覚えておられないけれど、相変わらずお茶目な人でした(笑)。

9月16日(日) 2週間に1度の筈が、最近は3週間に1度くらいになってしまっているカイロプラクティックの施術を受けに朝から吉祥寺へ。嗚呼、今日もどこを押されても痛い。午後は小石川図書館鈴木治行の作曲作品個展『鈴木治行「語りもの」シリーズ全作公演』を聴きに行く。しかし、コンサートを聴きに行くなんて何日ぶりか? しかも、純粋に客で。この"紺屋の白袴"的日々よ。内容は、例えば2つの異なったアンサンブルを1曲の中に並置したりと、どれも手法的には特に目新しいところのあるものではなかったが、多くの演者の快演(特に朗読を担当した秋山徹次と佳村萠ちゃんは白眉)に助けられ、なかなか面白く聴くことができた。無料の催しのせいか場内は満員、立ち見も出る盛況ぶり。80人限定と聞いていたが、どう見ても100人以上は入れてるだろ。豪華な出演者のラインナップに助けられたこともあるのだろうが、これが有料だったら、はてさて、いかほどの動員があっただろうか? 有料だと30人も来ない来日ミュージシャンのライヴに無料のインストアだと100人来たりするのはオレも経験あるけれど、今日は人ごととはいえ、考えさせられる問題だよなぁ。

9月18日(火) 連休明け初日、T誌11月号の最終校了日。先週オレが不在の間に校了したページを検証するべく早朝から現場へ。丸一日ガシガシと仕事して、終わったのは翌午前2時半。またしても家には帰れず。

9月19日(木) 午前中は外苑前の現音舎にて、松本里美『Bronze & Willow』の制作過程の報告ミーティング。A&R担当の後藤氏、エクゼクティヴ・プロデューサーの横田氏にブックレットのカンプとホワイトダミー、ラフ・ミックスのCD-Rを渡して進行状況を報告。とはいえ、実際はほとんど放任状態で好きにやらせてもらっている。ありがとうございます。午後はまたしてもT誌の校正現場へ。今度は新年特大号。すでに年末進行が始まっているのだよ。

9月22日(土) 吉祥寺シアターにてミクニヤナイハラプロジェクト公演「青ノ鳥」を観る。つきあいで観に行ったけれど、オレにはあまりピンと来ず。その後、T. breakの事務所へ。アート・ディレクターの江口さん、デザイナーの小畠さん、パンチとオレの4人で『Bronze & Willow』のブックレットの打ち合わせ。江口さんと小畠さんは昨日の朝、欧州出張から戻ったばかりで時差ボケ真っ只中にもかかわらずの休日出勤、おつかれさまです。いくつかのページの修正をお願いして、その後は欧州土産で早々の仲締めとなる。ベルギー土産の”DEL RAY”のチョコレート、サラミとチーズ、パンチ持参の全粒粉のフランスパンをつまみに、なんとCAVAのロゼを抜いて乾杯! オイラも鞄からさっき買ってきたブドウ(甲斐路)を出してすっかり持ち寄りパーティーの様相。しかし、今日は約1カ月ぶりに実家に帰る日。盛り上がる他3人を尻目に早々に退散。一路、千葉へ。

9月23日(日) 彼岸の中日。早いもので、親父が亡くなって半年が経った。今日は菩提寺の僧侶が読経に来宅するので、母と兄の3人で朝から実家で待機。午前中という話だったが、午後2時過ぎになってやって坊さん登場。儀式はあっという間に終わる。久しぶりにオサンドン1号始動。昼は松茸ごはん(カナダ産のニセモノ使用)、秋刀魚とゴボウの梅煮、ソーミンチャンプルー、焼き油揚げと茗荷のおろし和え、豆腐の味噌汁。夜は、新米の白飯にノドグロの開きと焼き松茸(前述のニセモノ)にスダチを添え、他に大根葉と桜エビを胡麻油で炒めた自家製ふりかけ、はぐら瓜の漬け物、冷蔵庫に残っていた根菜類をいろいろぶち込んだ野菜の味噌汁。あ〜、しみじみする。アタマが忘れてもカラダはいろんなことを憶えている。

9月24日(月) 朝6時起きで実家を出発、電車を乗り継ぎ神戸へ。ポートアイランドの国際会議場で行われている「日本特殊教育学会 第45回大会:特別開催公演 音の運動会」を見学に行く。10月のONJO京都公演にゲスト出演してもらう「音遊びの会」の演奏会だが、実際にどのような行動を取り、どのような演奏をする人々なのか、音楽的な面での興味からも、また現場での安全管理の参考のためにも、ちゃんと事前に自分の目で確かめておきたかったのだ。開演数分前のギリギリにどうにか到着。細馬宏通氏の隣の席に陣取り聴かせてもらう。なるほど、なるほど、こりゃあスゴいや。聞きしに勝るアクティヴさ。わざわざ見に来た甲斐があったよ。コンサート終了後は、「音遊びの会」の主宰で兵庫教育大学助教授でもある有働眞理子さんたちのシンポジウムを見学。「音遊びの会」の活動を振り返りながら、ワークショップの効果に対する小児科医の立場からの学術的考察の発表があったりして興味深かった。打ち上げに行く「音遊びの会」一行と別れ、夜は三ノ宮でフレイレフ・ジャンボリーのアコーディオン奏者、藤沢祥衣嬢と怪しげなベトナム料理屋で夕食。いや、おばちゃんのテッテー的な無愛想さにに反して料理はすこぶるおいしかったよ。その後は数年ぶりでBIG APPLEへ。名物店長、近藤さんの顔を見に顔を出す。たまたまガンちゃんが来ていて、こちらとも数年ぶりの再会。四方山話を肴に楽しく飲み過ぎて最後は不覚にも寝てしまいました。よけいなお世話をかけました。すみませんでした。

9月25日(火) 二日酔い(←自業自得)の身体に鞭打って、早朝に神戸のホテルをチェック・アウト。新幹線に飛び乗って東京へ舞い戻る。途中、地下鉄新神戸駅の改札でツアー移動中の芳垣さんにバッタリ。昨日は新幹線の中で北九州ビエンナーレに向かう梅田哲也くんに会ったし、今回の旅はバッタリ率高し。今日から近藤ダイちゃん宅のプライヴェート・スタジオで『Bronze & Willow』のレコーディング作業再開、そして今週が録音作業の大詰めでもある。やはり金沢からの戻り日で、大雨で電車が遅れていたダイちゃんの帰りを待って作業開始。しかし、機材トラブルやらなんやかやで、あまりはかどらず。どうにか日が落ちた頃に1曲分のベーシックを取り終え、いざ歌をと思ったらパンチの喉がすでに終わっていて、続きはやむなく明日に持ち越しとなる。旅帰りで疲れていたとはいえ、オレのディレクションもよくなかったと反省。帰りに飲んだ生ビールがやたらに苦く感じて、今さらながら疲れを実感。4日ぶりに自宅に戻って、とっとと寝る。

9月26日(水) 昨夜、観念して早寝したせいか、昨日に比べて随分とアタマがすっきりした。で、いざレコーディングへ。今日はパンチも好調で、朝からヴォーカルを3曲、ギターのオーバーダブを1曲サクサクサクッと消化し、その後は最後のゲスト入りセッションに向けて暫し休憩。最後のゲストはギタリストのX氏(あまりみんなが誰だか知りたがるので、あえて名前は伏せてきたけれど、近日、リリース・インフォ発表時に明らかにする予定)。肝心のレコーディング・セッションは、極めてエキサイティングな出来事だったとだけ申しておきましょう。賛否両論ありそうだけど...。X氏はテイク1からヘッドフォンを振り落とすわ、ギターの弦を切るはの大熱演。すんげぇテイクが録れましたよ。

9月28日(金) レコーディング最終日。今日も朝からヴォーカル録りを3曲、ギターのオーバーダブを1曲。これでパンチは全テイク終了。その後、残りのオーバーダブをダイちゃん2曲、オレも1曲やらかして、めでたく全パート録音完了。あとは、ミックスとマスタリングを残すのみ。1年半以上かけて話し合ってきた、パンチの「妄想」ないしは「野望」を現実の音に落とし込んでいく作業、やりたいことはすべてやり、かつ予想以上の素晴らしい成果で、実作業は綱渡りのような進行ではあったけれど、とりあえず録音には悔いなし!という気分は3人とも同じだろう。作業終了後、近所の中華屋でダイちゃん夫妻、パンチとオレの4人でプチ打ち上げ。今日も8月みたいに暑かったけど、達成感と相俟ってビールがうまい!

9月30日(日) 昨日とは打って変わって肌寒い日。小糠雨の中、昼イチでT. breakに赴き、『Bronze & Willow』の入稿データの校正。パンチ、いくら暇だからといって、オレが校正しているすぐ横でエンドレスでお喋りするのはやめてくれ。集中できませ〜ん! それでもどうにか校正を終え、お互い昼飯を食っていなかったパンチと2人、渋谷で中華を食す。その後、自宅に戻り暫し仮眠。深夜、パンチから電話があり、作品リストに記載されている寸法に誤りがあることが判明。同じ視点から全体を見直してみると、芋づる式に15カ所も間違いがあることが判明。夜半にT. breakにメールして早速に修正してもらい、明朝の入稿に備える。しかし、果たしてこれで本当に準備は万端なのか?

.....で、明けて今日10月1日、入稿直前にまた要修正箇所を発見したり、FTPサーバに上げたデータが壊れていたりと、ちょっとしたトラブルはあったものの、それでもどうにか無事に入稿完了。今週末にはトラックダウンと色校チェック、連休明けにはマスタリング、まだまだ気が抜けないけれど、完成は近い。