でかマルコちゃん

callithump2008-05-09

あれよあれよと4月も終わり、GWもあっと言う間に終わり、またしても2週間以上のブランクが.....。

Brandlmayr / Dorner / Sachiko M / Otomo Quartetツアーや松本パンチ里美の京都初個展でのライヴのために、主に京都方面で1週間近く暗躍(?)をしていましたが、その模様は各々の日記に話を譲るとして、その後、ここのところずっとの寝不足続きが原因で、東京に戻って2日程、不覚にもへばってました。「もうこの際」と思い、緊急の連絡以外はメールのレスもせず、あえて休みとさせてもらいました。連絡が遅くなってしまっていたみなさん、ごめんなさい。でもこれ、元日以来の久しぶりの休日だったのですよ。どーかご勘弁を。

その後、風薫る5月になってまたバタバタと日々は過ぎ、雑務に追われているうちにナポリ出身、NY在住のイタリア人ギタリスト、マルコ・カッペリの来日の時となる。4日午後にソウルから到着したマルコを新宿まで迎えに行くと、そこに現れたのはオレの知ってる巻き毛のイタリア人のやさ男ではなく、スキンヘッドの大男。いや、しかし確かにヤツだ。「やぁ野田、元気だったかい? 髪がなくなってさっぱりしたよ。エリオット・シャープみたいだろ? 君はいっぱいあるな。少しくれよ」。これが4年ぶりの再会の第一声。

その夜は滞在費節約のためにマルコが宿泊する我が家のリビングにて、バンドネオン奏者の小川紀美代さんにお出ましいただき、5日の下北沢レディジェーンでのライヴのためのリハーサル(写真)。課題は、小川さんが今回のライヴのタイトル" Les Liaisons Dangereuses "(危険な関係)に触発されて書き下ろしてくれた同タイトルの新曲を含む3曲と、その話を聞いたマルコが到着後に急遽用意した2曲。たいへんに熱の籠もった練習ぶりに楽器の音量もたびたび炸裂! 近隣への配慮として雨戸やカーテンなど閉められるところはすべて閉め、夜10時近くまでリハーサルしたが、翌日になっても特に近隣からは苦情もなく平和。やれやれ、よかった、よかった。終了後はあらかじめ用意しておいた料理数品とビールでマルコのウェルカム・パーティーを終電まで。

翌5日はもちろん、レディジェーンで本番。雨にもかかわらず多くのお客さんに駆けつけていただく。サウンド・チェックが長引いてしまい、雨の中でお待たせしてしまい申し訳なかったです。1部はそれぞれのソロを、2部はデュオで昨夜リハしたレパートリーを。2部の演奏は昨日の充実のリハーサルを通過し、なおかつさらにのエクステンションが加わって、昨夜とはまるで別もののように響くワイルドな展開満載のスリリングな出来事に。おかげさまで、終演後のビールのうまさも格別でした。ご来場のみなさん、共演の小川さん、レディジェーンの大木さんとスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。

6日は吉祥寺GRID605で、今堀恒雄くんをゲストに迎えて2回目のライヴ。当日初見で3曲をリハし、デュオのセカンド・セットは即興と楽曲が半々くらいの構成に。潔くアコースティック・ギター1本に絞った今堀くんの、正確無比なリズムにトリッキーなフレーズをふんだんに絡ませた演奏の的確さ、無駄のなさにあらためて感嘆する。それを受けてマルコの演奏も明らかに愉快そう。随所に絶妙の絡みを散りばめながら進行するデュオ演奏。今堀くん、スタッフの牧野くん、澤井さん、どうもありがとうございました。

(両日のセット・リストはともにこちらに:http://www.callithump.info/cgi-bin/speevercgi/lightboard/light.cgi?

で、この日の終演後は「寿司が大好き」と言っていたマルコのため、ライヴに遊びに来ていた昨日のゲストの小川さんを伴って、3人で高円寺の寿司屋で打ち上げ。「NYのと全然違う」などとアッタリマエのことをのたまいながら、次々出てくる寿司に悩殺されっぱなしのマルコ。「素晴らしい店に連れて来てくれて、ありがとう」と、途中何度もハグされる。〆に頼んだ「炙りハラスの裏巻きイクラ載せ」で完全にやられてました(笑)。

翌日は、富士山行きの外国人向けバス・ツアーに参加のマルコが早朝から留守にしている隙に溜まった仕事を片づけ、部屋を掃除、夕方から買い出しをしてマルコとの最後の晩餐の準備。昨日の帰り道、酔った勢いで「明日のディナーはオレが"imaginary Italian dishes"を作るから、楽しみにしていてくれ」と言ってしまったので、テキトーにそれっぽい材料を買い揃えて即興で調理。メニューは、たこのカルパッチョ(トッピングはなぜか九条ねぎ)、ベビーリーフと蒸し鶏のサラダ(ドレッシングは柚子胡椒とアンチョビ・ペースト、かぼすの絞り汁とオリーブ油のマリアージュ)、ほうぼうのアクアパッツァ(なんでかタケノコ入りで、煮汁は日本酒、味付けは白醤油)、甘海老の素揚げのレモン添え、あとはキビナゴの刺し身を生姜醤油で(どこがイタリア料理じゃ!)。ワインを開け、珍妙な自称イタリアンを一品ずつ味見しては大笑いの夕食。〆は干し海老、舞茸、エリンギと三つ葉が入った醤油味のスパゲッティーニ(笑)。出鱈目やった割にはおいしくできましたよ。しかし、写真を取り忘れたのが悔やまれる。

8日は、仕事で再びソウルに飛ぶマルコを新宿駅のリムジンバス乗り場まで送る。「11月にまた来られるかも」と言い残して旅立っていきました。「NYの僕の家に泊まりに来いよ。今度は僕が"imaginary Japanese dishes"を作るから!」とも。いやぁ、いろいろ面白かったね。またやらかしましょう。おつかれさ〜ん。