眼底が痛いので、たまには休むか!

callithump2008-06-11

またしても、こんなに日が空いてしまった。ホントに即時性命のメディアには向いてないよな、オレって!と思う今日この頃。

で、例によって忙殺されてました。先週末まで、約700ページという超重量級の単行本の校正作業に自宅でほぼカンヅメになりながら従事。その合間に、並行して日々進行する制作やマネジメントの連絡業務もこなしつつ、託校納品前の数日はほぼ寝食も忘れ人間捨ててました(苦笑)。本文の活字がすべて11級で、ずっとキャプションを読んでいる感じ。いい加減目が疲れて、眼底が痛いや。

金曜日の夕方に無事に納品.....の予定が、思ったより作業に時間を要してしまい、約束の時間に2時間以上遅刻! 担当さん、すみませんでした。で、その後、睡眠不足と空腹でふらふらになったまま、新宿ピットインへユージン・チャドボーンとジミー・カール・ブラックの"THE JACK AND JIM SHOW"を覗きに行く。なにしろチャドボーンに会うのは前回の来日以来で数年ぶり。今日を逃すともう日が合わないかもしれないのでと、眠くてへろへろの身体に鞭打ってとりあえず行く。

チャドボーンの相変わらず恐ろしいまでにキレのいいギターとバンジョーに、ウイッティーなヴォーカルが乗り、そこにジミー・カール・ブラックのドラムスが絡むのだが、これがもんのすごくグズグズで、とにかくもう、「おっさん大丈夫か?」という感じ。チューニングはぐだぐだだし(どうやら、チューニングをまったくしなかったらしい...)、ドラムスの音はドベドベ言ってるし、走ったりもたったりするし、歌もええ感じにネジがゆるんでるしで、ほんとにマザーズのドラマーだった人???という感じなのだが、これはこれで楽しいっていうか、思わず笑いがこみ上げてくるよ。オレもいい加減ボロボロでしたが、あまりの脱力さ加減に、そんな身体でも最後までちゃんと通して聴けました(笑)。

後日談になりますが、ジミー・カール・ブラックはこの日、体調がかなり悪かったらしい。オマケにもう70才だしね。その翌々日の公演の時はもう少し元気に、もう少ししっかり叩いてました。それでも、やっぱりあのグズグズ感には笑っちゃったけど。

翌土曜日は捨てていた人間性復権のため、朝から掃除に洗濯、生活用品や食材の買い出し、炊事など。あー、すっきりした。もう、ほぼカンペキですよ。人間合格! しかし、飛ばし過ぎたか、夕方までにすっかり電池切れ。やっぱり一朝一夕では慢性睡眠不足は解消されないか。夜は溜まった事務仕事を片づけようと思っていたのに、こちらはそれほどには思うに任せず、ちょっとトホホな結末に。

一日おいてもやはりまだ眼底が疲弊している感じなので、日曜日は思い切って休むことに。でも、家でだらだらしているのも癪なので、先日から気になっていた世田谷美術館で開催中の「冒険王・横尾忠則」展(写真)を鑑賞に行くことにする。しかし、休みと決めたのについついメールのチェックと返信をしてしまうこのワーカホリックぶり、我ながらどうにかならないかと思うよ。

で、何が気になっていたかというと、ちょっと前に新聞を賑わしていた世田谷区教育委員会の学校鑑賞会の中止の件。美術館でやっているから児童のための芸術鑑賞に適当という思考停止と、その内容に過剰に反応して簡単に中止を決めてしまう無神経と無責任、問題は単純にそのへんにあるのではないかと思っていたのですが(あぁ、なんか一昨年のドラびでおの釧路公演を思い出すなぁ...)。教育委員会が懸念したのはおそらく、作品中の随所に挿入された男女の裸や性器の描写なのだろうが、もう今時そんなところで蓋をしても何の意味もないでしょ? 世間に氾濫しているリビドーをいたずらに刺激する目的での同様の描写に比べるまでもない充分な必然性があるし、臭いものに蓋をすれば(横尾さんの作品はまったく臭くないけれどね)とりあえず教育的にオッケーだと思う短絡思考と浅薄さが招いた失態としか思えませんね。

肝心の展覧会ですが、圧倒的なまでの作品量と強力な描写にすっかり圧倒されました。個人的に特に興味深かったのは『平凡パンチ』や『週刊プレイボーイ』に掲載されていたグラフィック作品のラフスケッチや線画のイラスト原稿、版下、色指定紙を展示したコーナー。そうそう、ひと昔前までこうやって版下を作って印刷所に入稿していたよなぁ。グラフィック・デザインにも製版や印刷にも職人の技が要求された時代があったという証左。そしてその精緻な仕事ぶり。欲を言えば、そこに色校や仕上がった印刷物を並置してプロセスと仕上がりの関係まで見せてくれればいいのにとは思いましたが、それでも、色指定紙に書き込まれた製版所への細かい指示をついつい一字一句夢中で追ってしまい、おまけに絵画作品のあの色遣いにもやられて、すべてを鑑賞し終わる頃にはまたすっかり眼底が痛くなってしまった。あーあ、何やってんだか(苦笑)。

月曜からはまた山積した宿題に耽溺する多忙な日々に戻ってます(私に待たされているみなさま、ご安心下さい・・・苦笑)。で、明日は吉祥寺MANDA-LA2で" Tiny Adventure with Strings " vol. 13の本番。今回のゲストは逸材シンガーソングライター・秋山羊子ちゃんと日本で最もアウトスタンディングであろうバンドネオン奏者・小川紀美代さんのデュオです。みなさまのご来場をお待ちしています(詳細はこちら→http://www.callithump.info/)。