『在日の恋人』

callithump2009-01-14

一昨日はSuperDeluxeでの用事をひとつ済ませがてら、高嶺格著『在日の恋人』と『大友良英のJAMJAM日記』の刊行記念イヴェントを観た。

イヴェントは盛況で、内容も素晴らしいものだった(企画の吉住くん、おつかれさまでした!)。詳細はすでにあちこちに書き込まれていると思うので割愛するけれど、ニカちゃんの歌と演奏は繊細さをより深めつつさらにパワーアップしていたし、高嶺さんの裸の自分をさらけだすような体当たりのパフォーマンスは感動的ですらあったし、やはり裸の自分を勇気を持ってさらしたような大友良英の歌も素晴らしかった。実は、昨年の仕事納めからこっち、ほうけたり、ふてくされたりしていたのだが、そんな自分を立て直してちゃんと前向きにやっていこうと思える元気をもらったような気がした。

会場で購入した高嶺さんの著書『在日の恋人』。早くに目が覚めてしまった今朝からふと読み始め、その明快な文章にするすると引き込まれて、昼までに一気に読了してしまった。活字を読むのが生業のひとつではあるけれど、こんなに集中して一気に読めることもなかなかない。

高嶺さんがパフォーマンスの中で自著の一部を朗読していたのを聞いて、今現在自分が感じている問題を乗り越えるためのヒントのようなものがこの本の中にあるような気がしていた(それは自分自身と他者との差異の向こう側にあるだろう何かに到達するために必要な心構えとでも言えばいいのか.....)のだが、読み終わってみて、やはりそのヒントはあったように思う。なんだか心許ない言い方だが、それはまだ自分にとってのその糸口を掴みかけたくらいの段階に過ぎないから。誰かが自分に都合のいい答えを用意してくれているとは思わない。やはり自分の問題として、自分自身を参照してしっかりと考えてみなければ、それ以上に前には進めない。

先ずは、宿題をひとつひとつ片付けることにしよう。